Sunday, October 05, 2008

誠意を伝えるには

今回のテーマは以前書いた、時間の使い方ということにも少し関わるのですが、今日はちょっと違う視点も織り込んで「誠意」ということについて書こうと思います。世の中では「いい人」であるというのは、人を評価する上で、重要視する人は多いと思います。でも、ざっくり言って「いい人」と言われている人はちらほら周りにいるのではないかと思います。「根はいい人なんだけどね(←いまだに、これどういう意味だかよくわからないときがある)」とか「いい人なんだけど。。。」という人も含めると、結構いるでしょ。ところが、「誠意のある人」というのは、どうでしょうか?

普段接している人を見ていて、「こうありたい」という行動の一つに、「アクションが早い」というのがあります。それは、仕事が出来るということの条件でもあるように思えるし、さらに接している人への誠意でもあるような気がします。自分の指導教授は、スポーツ心理学会でも会長を務めたほどの有名人ですが、いつもは淡々とした人です。大学での仕事のほかに、教科書を執筆したり、アスリートにメンタルトレーニングをしたり、と忙しいはずなんだけど、彼の口から「最近忙しくて。。。」などというセリフは、一緒に過ごしてきた、この2年間聞いたことがありません。メールを送っても、すぐ返信が来るし、レポートや、学会発表の下地などを送って感想を求めても、あっという間に返事がきます。とにかく仕事が速い。先日もビザ更新のための大使館での面接の際に添付する、担当教授からのレターを依頼しにオフィスに行きました。仕事の速い彼でも2ー3日はかかると思ってたら、「じゃ、今書くよ」とその場でパソコンに打ち込んで、さっとプリントアウトしてくれました。彼の対応の早さというのは、とても自分への誠意を感じますし、仕事の速さというのは、大いなる武器だな、と感心させられます。ちなみに、彼がテンパったり、焦ったりという姿も見たことがなく、何か人生を達観している感さえ、見受けられます。彼の周りでは、とにかく時間がゆっくり流れているように感じるのです。まあ、酒を飲むと、すぐに顔が赤くなって、ほろ酔い状態で饒舌になるお茶目なところもあるんだけど。

7月の頭から日本に戻っていました。現在、剣道を題材にリサーチをしているのですが、友達のつてで、全日本剣道連盟の先生を紹介してもらって、去年の冬からいろいろお世話になっています。この先生は全日本剣道連盟、国際剣道連盟でも理事をされている方で、日本での出張のみならず、しばしば海外にも出掛けられたりする、とても多忙な方です。今回は7月の頭にラスベガスで全米剣道選手権が行われていたのですが、日本からの来賓ということで、この先生もお招きされていました。その後、同じ日程で日本に帰ったのですが、数日後、すでに連盟で働いていらっしゃいました。先生は、年齢的にはご高齢と言ってもさしつかえないと思うのですが、外見も若々しくて、お話が好きで、楽しいし、食欲も旺盛で、何ともエネルギッシュな方です。帰国後すぐに連盟にお邪魔した理由は、日本にいる全日本クラスの剣道の選手にインタビューしたいので、その連絡先を教えていただきたいということでした。先生は、二つ返事で、警視庁、関東近辺の県警の道場の先生の連絡先を教えてくださり、中には、その場で電話をかけて、話をまとめてくださいました。お忙しいにもかかわらず、2、3回会っただけの自分のような若僧の依頼に、さっとその場でアクションをとってくださいました。その後は、「昼飯食いにいこう」と中華料理屋でおしゃべりに花が咲いて、最後に「研究頑張れよ!」と励ましてくださり、颯爽と連盟に帰っていかれました。おかげ様で、各道場の先生方のご協力も得られて、9人もの選手にインタビューすることが出来ました。この先生からは、お会いするといつもエネルギー、情熱、そして誠意を感じます。

年齢、肩書き、立場、こういったものが、どう違っても、人のために動ける人間、人に誠意が伝えられる人間でいたいものです。そして、いくつになっても、情熱を持った人間でいたいものです。このお2人はタイプは違いますが、自分の身近に「こういう人になりたいもんだな」と思える人物がいるというのは、とても幸せなことだと思います。自分はまだまだ自分のことで精一杯な人間ですが、こういう方に接することで、自分の行動も変わっていけばいいなと思っています。