Friday, June 01, 2007

チームの結束

長らくご無沙汰してしまいましたが、さりげなくブログを再開したいと思います 笑。今回はスポーツ、またはスポーツ心理学の中でも理屈のありそうな、なさそうな「チームワーク」について書きたいと思います。みなさんはチームワークについてどんなイメージ、感想を持っているでしょうか?よく、「このチームはチームワークがよかったので勝てた」とか聞く一方で、「チームワークが良けりゃ、勝てるのか?」などといった疑問もあると思います。さてさて、議論のしどころはたくさんあると思いますが、まず今回はスポーツ心理学のリサーチを1つ、それから自分の体験を1つ紹介したいと思います。

リサーチの出典は以下の通りです。
Holt, N.L., & Dunn, J.G.H. (2006). Guidelines for delivering personal-disclosure mutual-sharing team building interventions. The Sport Psychologist, 20, 348-367.

まずリサーチの概要ですが、このリサーチはカナダの女子サッカーチームを対象にPersonal-Disclosure Mutual-sharing (以下、PDMS)という、各々の選手が自己開示を行ってそれをチーム全体で共有するというグループセッションが 行われて、その経験を各選手にインタビューしたことをもとにまとめられました。チームのレベルとしては、何人かの選手は国際大会にも出場するような、非常に高いレベルで、実際このチームもカナダの全国大会に出場していました。このチームにはシーズン開始から4ヶ月間、スポーツ心理学コンサルタント(以下、SPC)が帯同していて、チームミーティングやら、必要に応じて個人個人にコンサルティングを行っていました。全国大会の2週間前のあるチームミーティングの日に、SPCから以下の設問について自分自身の思いを書いてくるよう宿題が出ました。

  • なぜ、自分はサッカーをするのか?
  • 誰のためにプレーするのか?
  • 全国大会において、自分はこのチームに何が出来るか?
さて、PDMSのセッションは、全国大会の準決勝の前日の夜に行われました。セッションでは22人の選手全員、2人のコーチ、トレーナーとSPCが参加して、皆が輪になるように席に着きました。ミーティングに先立って、SPCから参加者全員に、先の3つの質問に対して、自分の正直な気持ちを話すよう念を押され、「このミーティングがあなたにとって意義のあるものになれば、それは他のメンバーにも有意義なものになります」と、このミーティングの主旨である「自己開示」と「相互理解」について、再確認されました。

SPC自身のこの3つの問いへの「自己開示」から始まったこのPDMSセッションは、とても大きな効果を選手達にもたらしました。多くの選手が、激しく感情的になり、涙を流すものまで出て来ました。ある選手は「今まで人生で経験した事のないような素晴らしい体験だった」と述べ、他の選手は「今後何十年先もずっと忘れないだろう」と述べました。また、多くの選手は、これまで共に過ごして来たチームメートの知られざる一面を見る事が出来た、そしてそれがパフォーマンスにもいい影響を及ぼした、と言っています。面白い事に、何人かの選手は、選手として、また人間としての自己理解をも深まったと述べています。

さらに、多くの選手がこのPDMSセッションを機にチームの結びつきが深まったと感じました。そして、「自分自身のため」だけではなく、「チームメートのため」に戦うんだという意識が高まった、と言っています。実際、「チームのために自分の足が折れようが、タックルに向かう」という表現を使っている選手までいました。何人かの選手は、このセッションを境にチームとしての自信が深まり、勝利を確信するまでに至りました。「勝つのは自分たちだ!」「誰が自分たちを止められるんだ?」といった心境だったと述べています。また、自分自身への自信が深まったと感じた選手達もいました。


さて、次に自分の体験からですが、今学期Group Dynamicsというグループカウンセリングのクラスで面白い体験をしました。そのクラスは週1回、3時間で、4ヶ月間続きました。クラスには20人弱の生徒がいて、毎週、授業の後半の1時間は3つの小グループに分かれてのセッションがありました。各グループには博士課程のカウンセリングの生徒がグループリーダーとして、毎回参加していました。自分のグループには、女性5人、男性2人で、留学生は自分を入れて2人で、国籍、人種、文化、生活習慣、価値観の全く違う生徒が集まりました。セッションはたいてい、「この一週間何があったか?」といったものから、何かお題を決めて話したりしました。最初の頃は、グループ全体がぎこちなく、張りつめた雰囲気で、会話も表面的で、正直、苦痛に思う事もありました。しばらくこうした状態が続きましたが、次第に家族のことや、過去の出来事などを話すようになって少しずつ感情表現をするようになりました。ある日、「どんな話題について話してもいい」というテーマで各自話すことになりました。面白いことに、学期末の時にメンバーみんなでこのセッションの感想を1人ずつ話した時に、何人かのメンバーが「この日がターニングポイントだった」と言ったのですが、1人の女の子が自分の仲の良い男の子の気持ちがはっきりよくわからない、みたいなことを言い出しました。思わせぶりをしているような、そうでないような、という状態が続いているとのことで、最後には「何で男はいつもこうなの!」と感情を露にしました。彼女は明るい性格だったので、この話をしている時も怒っているというよりは、ちょっと面白おかしく話してたので、そこからみんなの議論が活発になり、一気に女性vs男性という構図が生まれました。この出来事の後に、グループの一体感が劇的に変わったということにはなりませんでしたが、このグループへの思い、愛着といったものが、各々何となく芽生えたような感じになりました。グループメンバーは、より自分の内面を話すようになりましたし、家族の問題、養子としての体験など、ネガティブに聞こえる体験なども話すようになり、メンバーの誰かが涙を流すといったこともありました。

この体験は、共通のゴールに向かって時間を共有する、というスポーツ現場のそれとは明らかに違うものです。このグループでは、何一つゴールは設定されず、このセッションの意図すら明らかにされませんでした。ですが、バックグランドの様々な人間が、週に1回という限られた時間を共有して、自己開示を繰り返していくうちに、何となくグループへの愛着、安心感、自己発見、他のグループメンバーへの思いなどが芽生えて来たのです。

ちなみに、グループリーダーは、いわゆるグループを一定方向に導こうとするリーダーシップとは少し違う役割で、このセッションでは、「ファシリテーター(facilitator)」という役割でした。メンバーに比較的自由に発言させて、その言動や、それに対するグループの流れ、各メンバーの反応などを観察する立場の人です。基本的には、メンバーが自ら発言するのを待ったり、仕草や反応を観察して、その人が自分の内面を出せるような環境を作る働きをしました。例えば「今日はお互いが、より踏み込んだ質問をしましょう」などとテーマを決めたこともありました。もし、積極的に発言していない人がいたら、「今日はどうしたの?」とか「何か感想はある?」といった質問をして、その人が自ら発言をするのを待ちます。そして、毎回「お題」についてはファシリテーター自らも話をしました。例えば「今週起こったいいこと、悪いこと」などと言ったお題の時は、ファシリテーターも自ら自分にどんなことが起きて、何を感じたかなどを他のメンバーと同じように話しました。ちなみに、学期が終わった後、このファシリテーター曰く、他の2つの小グループでは、このグループほどの一体感は生まれなかったそうです。実際このグループは、みんなで打ち上げをしようか、という話が持ち上がったほどでした。

自分自身の感想としては、このメンバーは今後マメに連絡をとりあう友達か、と聞かれたら、そこまでではないかもしれません。でも、お互い過去や現在の悩みや喜びを話し、自分をさらけ出して、時には声をかけあった、このグループに対してはクラス内の他のメンバーとは違う結びつきを感じたものです。実際、自分はこのグループの中の1人と、大学のスポーツの試合を見に行ったり、その生徒の卒業パーティーに顔を出したりといった仲になりました。他のメン バーからは、自分が抱えたトラブルについて自分以上に怒りを露にしてくれたことで、気持ちが楽になりました。文化の違いや、他のグループメンバーの言動、ファシリテー ターの真摯な態度を見ることで、いろいろ学んだ機会にもなりました。中でも、他者を観察すること、自分の心の変化に目を配ること、という「人」を相手に仕事をする人間、家族と一緒に生活する人間として、とても大切な行動習慣を改めて学んだという機会になりました。



さて、みなさんもスポーツチーム、スポーツ以外のグループの中で、一体感、愛着、他人への思い、自己発見といったポジティブなものから、争い、対立といったネガティブなものなど様々な体験をしたことがあると思います。チーム内の個人個人の言動が、チーム全体の流れに影響を及ぼし、またチーム全体の変化が個人個人の感情や心境に影響を及ぼす、そんな体験をしたことがあるかと思います。チームの結束が深まった、または弱まった体験、リーダーシップ論などなど、お待ちしております。

8 comments:

Anonymous said...

どうも!
コメント遅くなりました。

タカさんのクラスでの体験、
とても興味深く読ませていただきました。
そして、論文もばっちり訳してあって、
自分の訳がちょっと恥ずかしくなりました(笑)

チームダイナミックスって不思議ですよね。
私は今まで個人競技しかやって来てなくて、
そこまで、チームの結束やリーダーシップが
選手の思考、パフォーマンスにどんな結果を及ぼすか、
なんて意識したことがありませんでした。

Team cohesionは個人競技にはそんなに重要じゃないっていうのが過去のリサーチの結果ですよね?
(でもだいぶ昔な気が・・・)
私も、自分の経験ではあんまり感じたことがないです。
今のリサーチは、どんな風に言ってるのかな?

ただ、個人競技でもチームの環境が良いと、
やっぱり楽しかったですね。
パフォーマンスだけじゃなくて、
そういうのも大事、ですよね。

まっちー said...

あ、すいません。
匿名でコメントポストしちゃいました。

said...

コメントどうもありがとね。元はと言えばまっちーちゃんがこのリサーチを紹介してくれたので、自分のクラスでの体験のこともあって、いいタイミングでこのリサーチに出会えてよかったと思う。いろいろありがとうね。

自分は長年、野球をやっていながら、チームが強くなるためという意味でのチームワークについては、いまひとつつかみ所がありませんでした。でもこのリサーチやコーチングの本を読んだり、カウンセリングのクラスでの体験は、今後のチームを相手にメンタルトレーニングをする時に活かされるような気がします。今回のキーはコミュニケーション。当たり前に聞こえるけど、それが出来ているかどうか、そしてそれがパフォーマンスに活かされるかどうか、っていうのは、チームとして確認しておく必要があるだろうね。

>Team cohesionは個人競技にはそんなに重要じゃないっていうのが過去のリサーチの結果ですよね?

→ これ知らなかった。もしどのリサーチかわかったら教えて。でも、自分としては個人競技にも「チーム」の概念は使う余地はあるんじゃないかな〜って思うんだけど、どう???
例えば、個人競技の選手にしたって、高いレベルでやってる人となれば、コーチとかスタッフとかって何人かいるよね。そういう人たちとの中で、チームスポーツのものとは違うかもしれないけど「チーム」の概念って生まれないのかな。あと、オリンピックとかで、同じ競技でよく初日に誰かがメダルを獲って、それ以降、何人かが続いてメダルを獲って「◯◯さんがメダルを獲ってくれたので、勢いに乗れました」なんてコメントも聞くじゃない?となると、ああいう国際大会とか、学校対抗とか、同じクラブとかという中で大会に参加する際に、チームの効果ってのも、やりようによっては期待出来るのかもしれないね。

>ただ、個人競技でもチームの環境が良いと、やっぱり楽しかったですね。

→ やっぱりそうだよね。同じトレーニングをするのでも、やはり環境はとても大切だと思うよ。個人競技においても、やはりチームメートの存在というのは、モチベーションとかに影響するんじゃないの?

matsu said...

どうもどうも。コメント遅くなっちまった。すまんね。

「チームワークが良い」ってどういうことだ?ってずっと考えてたんだけど、頭が混乱してきてねー。中々書けませんでした。いい機会をありがとう。

野球では「まとまりのあるチーム」なんていう抽象的な表現をするよね。なんだそりゃ?って思うわけだけど、表面的には、「チームプレー」が上手く機能していたり、「必要な声の連携」が行われていたり、「チーム一丸となって」襲い掛かってくる勢いがあったり、そんなチームが対戦相手だと、「こいつら、まとまりがあっていいチームだな」なんて言うのかな。「各自が自分の役割を理解している」なんて表現もよく聞く言葉だね。

こんな試合の局面で垣間見える極めて野球的なチームワークに加え、もう少し心の繋がり的なチームワークってものもある。つまり、建設的な意見を遠慮なく出し合っていいものを作っていく関係であったり、困っている奴や悩んでいる奴を励まし勇気付けるようなことであったり、「お前のためなら俺は体張って守るぜ」なんていう気持ちであったり。個人競技であっても、人が集まって活動する以上、こんなチームワークは存在していて、ひとりの力で事を成している訳ではないんだろうね。それを「チームワーク」って言葉で表現しているかはさておき。会社も人が集って事を成す以上、この手のチームワークが良いと仕事が円滑に進むことは貴も経験済み?

どちらのチームワークにしても、貴のいう「コミュニケーション」は重要な要素になるんでしょうね。

チームプレーで考えると、例えば野手が打者のスイングを見てポジションをチェンジする時、日頃からいろんなケースを想定して会話しているチームなら、アイコンタクトだけで内野手、外野手がみんな一瞬のうちに前後左右を見て最適な位置取りをすることが出来ると思う。そんなときにいちいち議論なんてしてられない。右中間を抜かれてバックサードをする際、普通は二塁手が中継に入るけど、肩に不安があるならショートがおもいっきり打球を追って中継に入るわけだよね。それも引き気味入るか、かなり追った方がいいのか、これは外野手との日頃からのコミュニケーション。攻撃時に、2死1・3塁で1塁走者が飛び出し1・2塁間で挟まれてしまったとき、それがミスではなく意図的なワナであると3塁ランナーが気づくかどうか?普段から会話があればノーサインだって3塁走者は本塁へ一発で突っ込むことが出来る。チームプレーの質を上げるためには、明らかに「日頃からのコミュニケーション」というのが大事であり、それがチームワークのよいプレーへと繋がる。

こんな野球に必要なコミュニケーションや野球面でのチームワークに加え、直接的には野球に関係のないコミュニケーションやチームワークというもの、これはよーく考える必要があるなと思いますね。仕事で言えば、仕事上の確認や打ち合わせとは全然関係ない会話って大事じゃないの?って話。これって飲み会大好きな俺的には、個人的に「当たり前じゃん」って思うんだけど、結構議論が分かれるポイントだったりするよね。野球でも「自立した個人の集合体がチームである」みたいな価値観から、たむろっておしゃべりしているような連中を「仲良しクラブ」なんて表現して否定的な評価をする人がいる(「そっち系?」笑)。でもそれって俺は違うと思うんだよね。松下幸之助流に言えば、「理外の理」を分かってない(笑)。

人に何かを伝えようする場合、もしくは理解し実際に動いて貰うためには、「信頼関係」が必要である。

信頼関係なきまま何かアドバイスすると受け入れて貰えなかったり、信頼関係がないがゆえに受け入れて貰えなそうな気がして何も言わなかったり(ま、いっかと思ってしまう)。チームワークを醸成するためにはコミュニケーションが必要だから、勇気を振り絞っていろんな事をチームメイトに言ってみたものの、相手が受け入れてくれないものだから面白くなくなり、しまいにはそんな相手を攻めだしたりもする。すると言うべきこともだんだん言わなくなってくる。悪循環スパイラルにはまる。仕事でもあるね。「あいつは何度言っても分かってくれねー」なんていってね。でもそれって、分かってくれない相手を責める前に、相手と信頼関係を構築できてない自分の力不足を嘆くべきでしょ。相手の心のレセプター(蓋)が開かれている状態を作ってはじめて、自分の意見は相手に伝わるし、理解して貰えるし、変わって貰える可能性が出てくる。信頼関係がなくレセプターが閉じている状態では、なかなかそれは難しい。

そして、「信頼関係」を作るための方法として、「自己開示」ってのは大いに参考になるなと思った。

自己開示するってことは、「あいつは俺のことを分かってくれてる」って関係に繋がるし、お互いそう思い合えたなら、レセプターが両者空きまくりだよね。お互いなんでもこい状態。これぞ信頼関係。分かりあえていると確信できる仲なら多少耳が痛いことでも誠意を持って伝えれば理解して貰えるので、建設的な会話が成立する。そうじゃない奴に言われると結構むかついたりするもの。これが人の心だから、自分本人としては出来るだけ自分の思いを、弱い部分や悩みを含めチームメイトに話をするべきだし、逆に人からはそのような思いをうまく引き出して、相互理解を深めることが必要なんだと思う。それが「信頼関係」の構築につながり、円滑なコミュニケーションにも繋がり、チークワークに繋がり、質の高いチームプレーにも繋がるんだと思う。

かなり支離滅裂ぎみになったが許して。

まっちー said...

コメント遅くなりました。
個人競技と団体競技の違い、というのは
Foundations of Sport & Exercise Psychology (Weinberg & Gould, 2000)で読みました。
でもReferされてる論文を見てみると、60年代から80年代…やっぱり古かった。

そこで、また違うBook chapterを読んでみました。(Advances in Sport Psychology(Horn, 2003))
そしたら、Team cohesionとPerformanceは(そんなに強くないけど)関係していて、Task typeは重要なポイントじゃないとのこと。
ちなみにReferされているMeta-analysis research.
Mullen, B., & Cooper, C.(1994). The relation between group cohesiveness and performance: A integration. Psychological Bulletin, 115, 210-227.



>>あと、オリンピックとかで、同じ競技でよく初日に誰かがメダルを獲って、それ以降、何人かが続いてメダルを獲って「◯◯さんがメダルを獲ってくれたので、勢いに乗れました」なんてコメントも聞くじゃない?


そうですね、これまたSelf-efficacy theory のVicarious Experienceにも関係しているような?そして、もしかしたらTeam cohesionとチームのCollective efficacy(チームとしての自信)との関係にも?Team cohesionとcollective efficacyの間にはポジティブな関係が見られているそうです。それがパフォーマンスの向上につながるのかも?
(Reference:Zaccaro, S.J., Blair, V., Peterson, C., & Zazanis, M. (1995). Collective efficacy. In J. Maddux (1995), Self-efficacy, adaptation, and adjustment (pp.305-328. New York: Plenum Press.)


>>自分としては個人競技にも「チーム」の概念は使う余地はあるんじゃないかな〜って思うんだけど、どう???

そうですよね・・・実際にTeam Cohesionが直接的にパフォーマンスに影響するかどうかは別として、間接的には(Motivationなどを通して)必ず影響するような気がします。

自分のTeam cohesionに対しての知識が少ないので、これ以上は言えませんが…
もっとリサーチが必要なエリアなのかも?

とまあ、ちょっと見にくいコメントになってるかもですけど・・・すみません。

said...

matsu、すまん、てっきりコメントしてたもんだと思ってた。

夏に読んでた教科書に、taskworkとteamworkという書き方をしてあって、前者は個人が身につけるべき技術。例えばゴロを捕るとか、ボールを投げるとか。で、後者はチームメートとの連携によって成り立つもの。例えば、ダブルプレーを取りにいく時にベースカバーに入る野手に合わせて送球するとか。で、このtaskworkやteamworkの概念というのは、チーム内で共有されていればされているほど、チームの連携というのは促進される。もう少し言うと、「何(技術、作戦)」を「いつ(タイミング)」やるというのが、共有されていれば、チームプレーの成功率が高まるということ。よく「チームみんなが、ひとつの場面で同じことを考えろ」って言われるけど、ランナーもバッターもベンチも監督もみんなが「この場面でスクイズがある」って思ってれば、それぞれが準備段階から行動が決まってくるし、実際プレーに入るまでもスムーズになるし、そうなると成功する可能性が高まるってことだよね。matsuの言ってる、ポジショニングや走塁の話も、みんながある場面で同じことを考えることによって自ずと、それぞれの動きが決まってくるってことだよね。

技術や作戦面でのチームプレーの他に、当然ながら感情面でのつながりも大切になってくるよね。その結びつきを強めるには、グランド内外でいろいろ機会があると思う。飲み会、いいんじゃないの、オレも好きだし 笑。

信頼関係。もうこれは、これに尽きると言ってもいいくらいだね。同じ局面で、同じことを言っても効果のある人とない人がいるわけだけど、それってひとえに、信頼関係、説得力ってことだよね。昔の明治大学の島岡監督は、ここ一番での口癖が「なんとかせえ」の一言。それを粋に感じて選手が奮い立ったという話を聞いたことがある。

自己開示については、自分をさらけ出すということは、まず自分が相手に心を許してますよというサインだよね。それがあって、相手も心を許すようになってお互いの歩み寄りってのが出てくるんだと思う。自分もアメリカ生活で心掛けてることの1つに、相手に心を開いてほしければ、まず自分から心を開こうと思ってるよ。この国じゃ日本人のこと知らない人なんてたくさんいるし、興味のない人だっているからね。そう言う人たちに、「アイツらオープンじゃねえ」って言ったって始まらない。ここじゃ、自分がマイノリティなんだがら、自分からオープンになってチャンスを作らないと始まらない。もちろん向こうから歩み寄ってくれる人もいるし、逆にこっちから歩み寄ってもいつもうまくいくとは限らないけど、逆にそれで通じ合わなければ、仕方ないなって思える。

ま、ちょっと話それたけど、matsuの言う通り野球のチームワークだからって野球でだけ築き上げられるってもんではないと思う。基本的な姿勢とか態度って、やっぱりあるんじゃないかって思う。

said...

まず、まっちーちゃんのreference力には恐れ入りました。自分ももっともっと勉学に精進します。

>そうですね、これまたSelf-efficacy theory のVicarious Experienceにも関係しているような?

→おっしゃるとおり、これこそまさにmodelingだよね。野球における連打の現象とかも、このmodelingってのが有力なソースかもしれない。

>Team cohesionとcollective efficacyの間にはポジティブな関係が見られているそうです。

→collective efficacyってチームとしての自信ってこと?なるほど。チームとしての結びつきがチームとしての自信を産むのか、チームとしての自信がチームの結びつきを産むのか、はたまた両方なのか。例えが適当かわからないけど、中学の時、自分のチームのピッチャーが良かったので、守ってても点を取られる気がしなかった。なので、自分の守備力自体は大したことなかったけど、守備に対する不安がかなり少なかったと思う。でも、それでチームの結びつきが高まったかと言われたら、よくわからないな。逆に高校のときはチームの結びつきはよかったけど、それがチームとしての自信につながっていたかと言われたら、それも確信は持てないな。。。ということで、まっちーちゃんのreferenceを読めってことだね 笑。

>もっとリサーチが必要なエリアなのかも?

→人間単体が他者の言動から心理的に影響を受けるってのはわかるけど、じゃあチームの結びつきがパフォーマンスに直接影響するのか?ってのはどうなんだろうねえ。感覚的にはyesって気がするけど、競技のタイプとかにもよるかもね。サッカーとかチームの結びつきが、試合でのモチベーションとかにも影響を及ぼしそうだし、それがパフォーマンスにも影響を与えそうだけど、野球とかはある意味個人競技みたいなところもあるから、「自分は自分」みたいに淡々とプレーしている人もいるかもしれないね。もし面白いリサーチを見つけたら、お互いアップしましょう。

まっちー said...

追記:


Collective efficacyとCohesionの間にはポジティブな関係があると書きました。その関係にPerformanceを加えたとき、BanduraはCollective efficacyはCohesionとPerformanceのMediatorとして働くって言ってるみたいですよ。Collective efficacyはどっちにもIndependentな影響を持っていて、CohesionとPerformanceの関係に影響するってことかな。



ReferされてるのはUnpublished articleで私達の手元には簡単に手に入らないみたいなのですが、これまた、Chapterから。

Feltz, D., & Lirgg, C.D. (2001). Self-efficacy: Beliefs of athletes, teams, and coaches. In R.N. Singer, H.A. Hausenblas, & C. Janelle (Eds)., Handbook of sport psychology (2nd ed., pp.340-361). New York: Wiley.

バレーボールチームのCollective efficacy、Cohesion、Performanceを1シーズン見てみた結果、Collective efficacyとCohesionはシーズンが終わりに近づくに連れて増加して、Collective efficacyはCohesionとTeam Performanceの関係にシーズンの最初の方は影響して、シーズンの最後は影響しなかった、と出たみたいです。ちなみにCollective efficacyはCohesionとPerformanceに別々に影響したみたいです。

このリサーチの結果は微妙にBanduraの意見をサポートしてます。でも言えるのは、Banduraの意見よりもっとこの3つの関係は複雑かもしれません、ってことみたいです。


チームパフォーマンスのPredictorとしては、個人個人の自信(Individual Efficacy)を合計したものより,チームの能力に対する自信(Collective Efficacy)の方が勝ってる、って言うのが過去のリサーチの結果です。なので、Collective efficayはチームパフォーマンスには重要で、確実にまだまだリサーチがいるエリアみたいです。